カメラの話

最近、一眼カメラを買って面白いので、なんで面白いのか書いておきたい。

これまでデジカメと言えば、2006年にLUMIX FX-01を買い、2010年にPowershot S90を買っただけ。コンデジしか知らなかった。
当時S90は非常に評判が良かったのと、FX-01では暗いところが全然撮れなかったために、広角F2.0のS90に買い換えた。S90はいろんなモードがあるけど、カメラ自体に大して興味はなかったので、オートしか使っていなかった。もっと綺麗に撮るための努力もしなかった。

転機は、今年ジロを見に行った時に同僚が一眼レフで撮った写真が非常に綺麗だったこと。写真に立体感があったし、それなりに連写もできた。写真は同僚任せでS90は使わなかった。この時は、なぜ一眼レフだと綺麗に撮れるのか分からなかった。

次に、ツール・ド・スイスを見に行った時に、S90の連写の遅さとズームのきかなさに苛立ち、ツール・ド・フランスを前にこれではまずいと思い立った。この時、ズームと連写が欲しくなったので、スペックだけ比較するとSONY αになった。トランスルーセントミラーで、エントリー機でも1秒間に10連写以上できた。CANONもNIKONも同クラスは3〜4枚しか撮れないのにだ。また、同僚が連写中にAFが効かないので、近寄ってくる選手はフォーカスがずれてくると言っていたのが記憶に残っていて、連写中もAFが効くαは、これしか無いと思わせるのに十分だった。OVFを知らないので、EVFにも抵抗はなかった。

NEX-5Nなどのミラーレス機もこの時比較していたが、コントラストAFでフォーカスが遅い、動きモノに向かないという評価だったので、除外された。今、思うとミラーレス機を買わなくてよかった。カメラの魅力を味わうには、ミラーレスじゃ不十分だと思う。レンズのバリエーションが圧倒的に少ないし、ファインダーも使ってみて重要性が分かった。動きモノはファインダーじゃないと追えない。

予算10万円でα57のダブルズームキットを買った。この時、5000円足したらダブルズームキットを18-200mmに交換するよと、店員さんが薦めてきたが、この時はキリがないのでやめておいた。今思うと、高倍率=画質よくない、という事実をしらずに判断を誤らなくてよかった。

まずはDTMを見に行った。このときは難しいことは考えず、連写任せでいっぱい写真を撮って、比較的満足していた。そこそこ綺麗に撮れていたし。
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そして、ツール・ド・フランスに望んだ。3レース見に行ったけど、最初の2レースはぜんぜん思ったとおりに撮れなかった。たまたま逆光位置で撮っていたり、フォーカスがうまく合っていなかったり。腕がまだまだ悪いと思っていた。
3レース目はシャンゼリゼで、キットレンズの55-200mmで撮った写真はどれもうまく撮れていた。フォーカスはばっちり、背景がぼけて非常に立体感があった。でも、同じくキットレンズの18-55mmで撮った写真がなぜかイマイチだった。1レース目も2レース目も18-55mmで主に撮っていたので、18-55mmは不良品かと思った。逆光にも弱かった。風景写真や動いていない車なんか撮っているときは気づかなかった。
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その後、ネットで勉強して、絞りで解像度が変わるという事実に気づき、18-55mmで試すと、このレンズはテレ端でF11くらいまで絞らないと、しっかり解像しないことが分かった。また、同じ55mmでも18-55mmはF5.6、55-200mmはF4。18-55mmのほうが暗い。この時初めて、カメラってこんなに使いこなすのが難しいのかと実感した。

そして、McLaren MP4-12C見たさにGT Mastersを見に行った。この時も連写任せで撮りまくったら、今度は、天気が良くてSSが速くなっておりタイヤが回ってない写真がいっぱいとれた。前回DTMを見に行ったときは、雨天でそれなりのSSに自動的になっていたことに、やっと気づいた。
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そして、もう一度DTMに行ったときは、SS優先かマニュアルモードで設定を決めて撮ったので、ようやく思い通りに写真が撮れていた。
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とにかく、写真は理論を理解して、実践しないと、ぜんぜん思い通りにならないのだ。そこが面白い。「理論と実践」、大学の研究も、今の仕事も、自転車もやっぱり、これが面白いんだと思う。

世間では意外と評価の高いキットレンズの18-55mmも、今の使い方だと満足できないので、最近は、標準ズームの代替を検討し始めた。新しい便利ズームの18-135mmじゃ進歩が小さいかなとか、大口径の16-50mm F2.8通しにしようか、はたまたこの際、Carl Zeiss 16-80mmに行ってしまうべきかなどと。
そして、ようやくカメラはボディよりレンズが重要だとわかってきた。ボディは消耗品、レンズは資産と言われるのが分かってきた。ちなみに、55-200mmは今のところ不満がないです。行き着くところは70-300mm Gレンズなんでしょうが、まだ大丈夫です。

待て、その前に、ズームじゃなくて単焦点でカメラの限界性能をある程度見極めるのがいいと思いたち、35mm F1.8を買った。まだ、ロクに使っていないので、また今度書く。

レンズが大事と分かると、必然的にAマウントに不安が湧いてくるわけだが、でもモータースポーツとロードレースを撮るにはαの連写がいるんです。特にロードレースは1回しか自分の前を通らないので、とにかく連写がいるんです。
最近は像面位相差とやらでトランスルーセントミラーのコンセプトが危ういような気もするが、将来はともかく今はエントリー機でレース物が撮りたければαがベストだと思っている。